人はなぜ結婚したがるのか?(ブラジル同性愛者婚姻制度に思う)

もし私が同性愛者であるとして、その恋人とわざわざ法律上の「婚姻」をしたいだろうかと想像すると、したいとは思わないと思う。

私は異性愛者ですが(たぶん)、もし今離婚して、別の誰かと付き合ったとして、その人とわざわざ「婚姻」したいと思うだろうかと想像すると、たぶん思わない。「婚姻」という制度など、むしろない方がいいのではないか。そんな気がしているからです。

婚姻という公的な制度があるおかげで、かえって、同居してこそ夫婦、助け合ってこそ夫婦、嫌なことも耐えてこそ夫婦といったあるべき夫婦(カップル)像の押し付けや、関係解消(離婚)に対する否定的なものの見方を助長してきたのではないかと疑っています。
そのため、本当は離婚した方が幸せなのに、そのような社会的圧力を無意識的に受け、それに気付かず、身動きができないままの人生を終えた人もたくさんいるのではないか。幸せの足枷になるぐらいなら、「婚姻」という制度自体、なくしてしまってもよいのではないだろうか。そんな気がしてならないのです。

すでに世の中には、あえて「婚姻」(法律婚)をせずに、事実婚のままでいる人がいます。少数派ではありますが、もう珍しくはないと思います。
離婚で揉めるのもいやだし、自由な関係でいたい。自宅持家幻想が消えて、別に賃貸でいいやというのとも、少し似ている気がします。

子どもが幼いうちは、という観点から、事実婚や離婚を否定的にとらえる考え方もあり得るところですが、そもそも「婚姻」という枠組自体がなければ、「事実婚」「離婚」という枠組みで物事をとらえること自体ナンセンスになってしまいます。
「婚姻」も「離婚」もない。男女の間に子が生まれただけのこと。そう考えれば、子のためにどのような養育環境を与えていくかということだけが問題であって、「事実婚」や「離婚」それ自体を否定的にとらえることはできないのではないか。

婚姻をありがたがるのも偏見、事実婚や離婚を否定的にとらえるのも偏見。
そんな気すらしてきます。

さて記事によりますと、ブラジルでは、今年5月中旬に複数の裁判所が、婚姻を管理する役所は同性愛カップルの結婚届を拒否してはいけないとの判断を下し、このたび同性カップルの集団結婚式を開催したそうです。
もともと同性愛者は既存の価値観や枠組みからは自由な立場であったのではないか、という気がしていたのですが、それでも彼らが、「婚姻」することを強く願い、その実現を喜ぶ姿には感動を禁じえません。
誰しも、他者から認められたいという強い気持ちがあって、異性愛者に認められている制度なのに、自分たちに認められていないのはおかしい、自分たちにも結婚を認めてほしい。そんな彼らの気持ちは分かる気がするのです。「婚姻」する必要なんてないんじゃないのかなぁ、という個人的見解は別として。

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青島 克行

青島 克行弁護士・保育士・宅地建物取引主任者

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昭和50年9月17日生
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