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離婚とお金 Q&A

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離婚 弁護士|慰謝料・財産分与・婚姻費用分担、養育費について

離婚に伴って生じるお金の問題があります。
まず、婚姻期間中に築いた夫婦共有財産の清算の問題があります。いわゆる財産分与の問題です。
次に、どちらかに責任がある場合は、慰謝料の問題があります。
ほかには、離婚成立に至るまでの生活費等の支払負担の問題もあります。これはいわゆる婚姻費用の分担と呼ばれるものです。
さらには、離婚後の養育費についても決めなければなりません。
離婚の成否とは別の問題ですが、これらの金銭面での条件次第では、離婚が成立したり(しなかったり)、早期決着がはかれたり(はかれなかったり)しますので、大変重要な問題です。双方が譲り合いつつ、いかに公平、円満な調整をしていくべきかが問われる場面です。

離婚 弁護士|慰謝料について

離婚 弁護士|財産分与について

【財産分与と過去の婚姻費用の清算のための給付→含めてよいとした】
最高裁昭和53・11・14第三小法廷判決
(昭和53年(オ)第706号離婚等請求事件)
(民集32巻8号1529号、判例時報913号85頁、判例タイムズ375号77頁)
《離婚訴訟において裁判所が財産分与の額及び方法を定めるについては当事者双方の一切の事情を考慮すべきものであることは民法771条、768条3項の規定上明らかであるところ、婚姻係属中における過去の婚姻費用の分担の態様は右事情のひとつにほかならないから、裁判所は、当事者の一方が過当に負担した婚姻費用の清算のための給付をも含めて財産分与の額及び方法を定めることができるものと解するのが相当である》
離婚前の別居期間中に妻の方が過剰に負担していた過去の婚姻費用の清算については財産分与において考慮することができるとして、その分を考慮した財産分与を夫に命じた事案。

【財産分与と離婚慰藉料】
最高裁昭和46年7月23日第二小法廷判決
(昭和43年(オ)第142号慰藉料請求事件)
(民集25巻5号805頁、判例時報640号3頁、判例タイムズ266号174頁)
財産分与は夫婦の共同の財産の清算と、離婚後の一方当事者の生計の維持を図ることが目的とするものであり、相手が有責であることは必要ではない。
財産分与請求権は、相手方の有責な行為によって離婚をやむなくされ精神的苦痛を被ったことに対する慰藉料請求権とは、性質が必ずしも同じではない。
財産分与がすでに行われたからといって、そのことのみを理由に、別途慰藉料請求妨げられることはない。
もっとも(民法768条3項、771条から明らかなとおり)裁判所が財産分与に関することを定めるについては、当事者双方の一切の事情を考慮すべきものであり、離婚慰謝料給付も含めて財産分与の内容を定めることはできる。
財産分与で考慮した慰藉料請求権について、この財産分与をもってすべて慰謝されたと認められるときは、もはや重ねて慰謝料請求をすることはできない。
一方、財産分与がなされても、それが損害賠償の要素を含めた趣旨とは解されないか、そうでないとしても、その額および方法において、請求者の精神的苦痛を慰藉するには足りないと認められるときは、別個に慰謝料請求することも妨げられない。
としている。

【財産分与と詐害行為取消権】
最高裁昭和58年12月19日判決(民集37巻10号1532頁)
財産分与が不相当に過大であり、財産分与に仮託してなされた財産処分であると判断される事情があると、その財産分与は、分与者の債権者から取り消されてしまい、もらえたはずのものがもらえなくなってしまうことを明らかにしたケース。

【離婚慰謝料と詐害行為取消権】
最高裁平成12年3月9日第一小法廷判決
(平成10年(オ)第560号配当異議事件)
(民集54巻3号1013、判例時報1708号101頁、判例タイムズ1028号168頁)
上記昭和58年判例とはまた別パターン。
夫の債権者からの債権差押と、夫から元妻への離婚慰藉料の合意に基づき、元妻が、夫に対して有する慰藉料支払請求権による債権差押との差押競合が生じたことから、夫の債権者から配当異議訴訟が提起された事例。
夫と元妻との協働か(通謀虚偽表示)、そうでないか(詐害行為取り消し)で、理屈は別れるが、第一審、第二審いずれも、元妻との2000万円の慰藉料合意の無効、取り消しを認め、妻の債権(慰藉料支払請求権)の存在を否定した。そこで妻が上告した。
最高裁は、次のように述べて、審理を原審に差し戻しました。
《離婚に伴う慰藉料を支払う旨の合意は、配偶者の一方が、その有責行為及びこれによって離婚のやむなきに至ったことを理由として発生した損害賠償債務の存在を確認し、賠償額を確定してその支払を約する行為であって、新たに創設的に債務を負担するものとはいえないから、詐害行為とならない》《しかしながら、当該配偶者が負担スべき損害賠償債務の額を超えた金額慰藉料を支払う旨の合意がされたときは、その合意の家右損害賠償債務の額を超えた部分については、慰藉料支払の名を借りた金銭の贈与契約ないし対価を欠いた新たな債務負担行為というべきであるから、詐害行為取消権の対象となり得るものと解するのが相当である》
つまり、夫が夫妻をかかえている状況で、高額な離婚慰謝料の支払合意を夫としたところで、上記昭和58年最高裁判例における財産分与としての供与のケースと同様に、本来の慰藉料額を超える部分であると判断される金額部分については、その慰藉料支払請求債権の存在が否定されてしまうので、理由のない高額慰藉料の合意をまとめても、意味はありませんよ、ということですね。むしろ強制執行秩序に対する不法な行為として、ほかの債権者等から責任追及を受けるリスクがありますので、このような理由のない合意はするべきではないでしょう。気持ちは分かるのです。気持ちは。現実問題としては、夫の債権者が何も意義を唱えなければ、このような合意もそのまま有効扱いされますし、どこまでの金額ならセーフでどこまでの額を超えると本来の損害賠償債務の額を超えたというのか、これについても予め金額が決まっているわけでもありませんしね(最後は、裁判になってから、裁判所が決める)。

離婚 弁護士|婚姻費用の分担について

離婚 弁護士|養育費について


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